高尿酸血症
高尿酸血症の状態が続くと「痛風発作」の原因になりうる病態です。
発作の予防には尿酸値を下げることが望ましいです。
高尿酸血症とは
からだの新陳代謝で発生する老廃物である「尿酸」が増え過ぎている状態です。尿酸値が9mg/dl以上もしくは8mg/dl以上で合併症(腎障害・高血圧・糖尿病・肥満など)を
伴うものについては薬物療法を含む治療が望まれます。高尿酸血症が持続すると関節内に尿酸塩の結晶が析出・沈着します。尿酸塩の結晶は痛風発作の原因となります。
原因
食事ではプリン体の過剰摂取が原因で赤身肉や魚の蛋白、レバーなどの内臓系や脂身の少ない肉に多く含まれます。アルコール(ビールなど)やソフトドリンクに含まれる
果糖なども尿酸排泄低下に関わるため注意が必要です。食事以外では激しい運動やストレス、生まれつき尿酸を排泄する力が低い方なども考えられます。
治療方法
目的はまず痛風発作(痛風関節炎)を起きづらくすることです。さらに、高尿酸血症の合併症である腎障害(痛風腎)、尿路結石を発症・進展させないことなどがより大切になりま
す。ガイドラインでは、「血清尿酸値が9.0mg/dL以上」および「8.0-8.9mg/dLで、高血圧、脂質異常、糖尿病、虚血性心疾患、メタボリックシンドロームなどの
合併症がある場合」は薬物治療を開始することをおすすめしています。痛風発作を過去に起こしてしまっている場合だと「尿酸値6.omg/dL以下」が目標です。また、様々な研究結果
より、痛風がなくても持続する高尿酸血症(無症候性高尿酸血症)は改善すべきであると考えられています。
まずは食事および生活習慣の改善を行い、8.0mg/dL以上の高尿酸血症が持続する場合には飲み薬を少しずつ始めて、尿酸値および血圧・腎機能などを見ながら、1-2か月後に
お薬の量を調整します。痛風を繰り返す方には、尿酸値に関わらず内服治療を始めます。過去に尿路結石を持っている方には尿酸生成抑制薬を処方します。
尿酸降下薬には尿酸生成抑制薬と尿酸排泄促進薬があります。
前述したように高尿酸血症はその成因によって尿酸産生過剰型と尿酸排泄低下型に大別されますが、前者には尿酸生成抑制薬であるアロプリノール(ザイロリック®、アロシ
トール®など)、フェブキソスタット(フェブリク®)、トピロキソスタット(トピロリック®)を、後者には尿酸排泄促進薬であるベンズブロマロン(ユリノーム®)、プ
ロベネシド、ブコロームを使用します。